2012年2月23日木曜日

おるせー。

もうすぐパリを去るので、やっぱり好きなオルセーには行かねば行かぬと改装後2度目のオルセーへ行ってきた。
3カ月ぶりに行っただけなのに一回入口右手の作品は大分内容が変わっていて、本当にこれは何度も来ているあのオルセーなのだろうか?と思えるくらい新鮮だった。”夜”のテーマの企画部屋とかこの人がこんな絵を描くのか!とかそんなのが沢山あって面白い。

そして、5階にある印象派コーナーはやっぱり驚異的と言うほかなかった。あれが当たり前のようにふらっと美術館入って無料で見られるってのはもうそれだけでパリにいるものすごい恩恵だと思う。
パリにいる学生だから得られたこの権利ももう無くなってしまうかと思うととても悲しい。

この一年半のうち、オルセーでの授業やふらふら遊びに行くのを通して、これまで余りよくわかっていなかったドガの凄さを思い知ったり、印象派やマネについての新たな見方も色々味わえた。(それだけに今日ドガのパステル絵のコーナーが見れなかったのはとても残念)。


それだけでなく、オルセーという美術館の歴史とそのあり方というのがもうそれだけでカッコ良くて、PO(パリ・オルレアン鉄道)の彫刻を見ると、当時のパリの鉄道がここにまで来ていたのかとついつい感慨に浸るようになった。正面だけでなく、側面を見るようになったのもこちらに来てから初めてのことだった。

初めて17歳でパリに来た自分はまだ美術作品にも全く興味が無くて、それこそとりあえず美術館は無料だし観光で覗くかという程度だったのだけれど、モネのルーアン大聖堂を見て、サンラザール駅を見てから、サンラザール駅を通ってルーアンに行って現物のルーアン大聖堂を見たあの時の感動から絵画作品って凄いんだなぁとよくわからないなりに感じるようになってきたのでオルセー美術館には色々と思い出が詰まっている。

そのうちまたあの大時計をのんびり見ながら19世紀の世界に溺れてみたい、と思わされた。

そんな思い出深いオルセーで、何故かボナールの不敵な猫の絵ハガキ買ってしまった。名作ぞろいのオルセーの数あるポストカードの中でなんでこれを選んだのかはわからないが、好きなのよね、この猫。http://bit.ly/x9AAyK