2012年5月15日火曜日

地元といふもの

あぁ、いつの間にか2カ月も経っていたのか。
ブログ読んでいますという声で、ほっぱらかしにしていた事実にしていた蓋がぱかっと開いたので何を書こうか少し迷ったのち、ふっと出てきたものでそのまま書き進めることに決めた。

別に自分は流浪人でもないし、帰国子女でもなく、長く川崎に住み続けているのだけど、あまり地元という感覚がない。

先日何をとちくるったか、ふとした折に家から二子玉川まで歩いてみようと思い立って散歩に出た。
さらに何を思ったかせっかくなので今まで歩いたみちではなく回り道をしながら行こうと、最短距離である多摩川を下るだけ、というルートは外してあえて街中を通りながら二子玉川を目指す。

10分も歩けばそこはもう自分が知る町ではなかった。こんなところにこんな小さな商店街があるのか、とかこんなところに工業高校があったのか、なんて小さな発見が次々出てくる。途中疲れて脱線をやめて、川沿いをのんびり下りながら二子玉川までいったのだが、帰り道も同じように途中まであえて脱線をすれば、中小企業や製造業、生コン工場がひしめきあう地区に出会う。生コン工場は大きいのでいくつか知っていたけれど、ここまで小さな会社が沢山ある地区があるなんて、なんてやっぱり知る由もなかった。もはや隣の隣町なので、しらなくて当然と言ったらそうなのかもしれないけれど。

が、どのみち自分は地元を知らない。

小学校を過ごした町と今住んでいる町は違うし、中高を私立で過ごし、大学も東京の方にいってしまったので、地元の飲み屋で飲んだことが実はほとんどない。

駅のすぐ近くに結構流行っている感じの和食系居酒屋があるのだが、そこだってもう7年間毎日目の前を通り過ぎているのに一度だって入ったことがない。もちろん、酒が飲める年齢になる前に引っ越してしまったこと、両親が飲めないので居酒屋に行くことがないっていうのはもちろんあるんだけども。

地元の人、なら地元でおいしい店も、地元のおいしい居酒屋もそりゃしってるだろーよ、とか思いながら10年近くすんでいる今の地より、自分が知ってるのは江古田だったり、本郷だったり、下北だったり渋谷だったりするわけだ。それこそ実家周辺よりパリのほうが圧倒的に勧められる場所が多い。
結局自分が学生として活動している場所の方が極めて印象深い。

そーなると俺が住んでいる場所はここだけど、自分が知ってる場所は極めて少ない。

となると、地元は川崎で、なんていうけども、「おいお前、地元とはそれなんぞや」、みたいな気持ちにならないでもない。

この地の歴史も知らなければ、誰が住んでいるかもよくわからない。

コミュニティがほとんど(自分には)ないこの場所は 地元 となんだろうか。


演習課題でいつか描いた、自分の家の周りを表現する という課題で、僕は自分の風景だと思える場所というテーマで、自らの風景だと実感できる場所と知らない場所でグラデーションをつけて平面図を描いた。あれから2年して、自分の地図に今はたしてどれだけ上書きして濃い色をつけられるのか、と思ってふと振り返って壁を見たが、なかなかうまくは行かないらしい。

5年後、また地図を描いたら今度はどうなっているのだろうか。外から見て、もう少し知ることができるようになるんだろうか。

その時、この場所は自分の地元になるのだろーか。

もやもや。


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