2011年1月30日日曜日

書評 東京の副知事になってみたら

最近、猪瀬さんが気になっていたので、友達に頼んで東京の副知事になってみたらを買ってきてもらい、昨日今日で一気に読んだ。

なるほど、確かにこれは面白い。


東京の副知事になってみてのエッセイ本だと思っていたのだが、
東京都、という媒体を通してみた日本の国家成長のキーワードをあげている本であると思う。
そして、そのキーワードの多くはインフラである。

土木界のスーパーエリート(笑)としては、一般大衆向けにインフラ技術をうまいこと説明してくれているありがたい本は紹介しなくてはと思い立った。基本的に 黒子であることにカッコよさが見える業界だけど、それが故にみんなあまりに関心がない。それが当たり前と思ってしまうから。

まだ他の本は読んでいないけど、元々日本についての事をずっと調べている人だし、ツイッタ―とかみてても日本の水道技術とかに随分関心持ってる人だなとは思っていたけど、本を開いたら予想以上にインフラが鍵を握る内容だった。


空港戦略、港湾戦略、エコ、高齢者住宅サービス、医療補助、水道技術移転など、これまでの問題や今後の展望を、都庁でのエピソードを交えながら簡潔にまとめている。非常に読みやすい。つーか、2,3時間あれば読めるんじゃないだろうか。
出版されたのが今年夏ごろというのもあって、港湾戦略、空港戦略などは本当に最近うちだされた京浜港の一体戦略や、羽田成田国際化戦略などホットなトピックが載っている。水ビジネスにしてもそう。


その意味では、インフラのことを余り良く知らない人には是非読んでもらい一冊。へぇ、なるほど。知らなかったという点が結構あるんじゃないかと思う。
あ る程度インフラを学んで知ってる人には色々まとめ直しになるかもだけど、読みやすいし、作家の言葉なので、ちょっともやっとしているところを、そうそうこ れが言いたかったとすっきりさせてくれる。それに、医療制度とか地下鉄の歴史とか知らないこともまとめてあるし、個人的にはためになった。


手軽に読める一冊なので、暇つぶしにでも是非読んでもらいたい一冊。



追記。この本読んで、ドイツの太陽光買い取りシステムが最近上手くいかないことを知ってほっとした。エネルギーの授業でやたらドイツの買い取りシステムは すごいすごいみたいなことを語ってる人がいたが、やっぱり無茶があった。盲目的にドイツが優れてるのに日本はうんたらみたいなのだったから、当時から信用 はしていなかったけど。

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