2010年11月21日日曜日

La nuit blanche

音量に注意


随分と、時間がたってしまったが、上の動画は10月頭に行われたLa Nuit Blancheというイベントでのインスタレーションである。

La Nuit Blancheは徹夜という意味。
この日は、パリ市内(他の地方でもやってる)で文字通り徹夜でインスタレーションを主としてアートやダンス、コンサートなどが行われる。
シテ島周辺、北東部、西部の3つのエリアで200個近いイベントが行われる。

全て無料。

しかも、パリ市が主催なのである。これがなかなか凄い。

アーティスト達も出店料は払っているのだろうが、夜間警備、アーティストの出典など全面的に市がバックアップしているということ。

まっこと大胆である。おおみそかとヨコハマビエンナーレを足して割ったような感じかな…。

そう、だから、メトロも動く。もともと1時2時までやってるのだけど、その後も5時まではストが起こらなくて有名な14番線と東西を結ぶ9番線が動いてくれる。

そんなバックアップを受けて行われるイベントに、助教のO崎さんの親友でパリで建築家として働いているK内さんという方と、その奥さん&成り行きでその奥さんのお友達とY大とでぐるぐる回ることになった。

19時頃からご飯を食べ、21時過ぎくらいからぶらぶら回り出したのだが、もうそれはすさまじい人の数。
ちょっとおもしろそうなパンフレットにでかでかと書いてあるイベントはとんでもない行列ができているのである。
多分まともにならんだら30,40分待ち。結局そういうのはみなかったのでどんなのが行われたのかはわからないけど、街中はこれでもかというくらい人で溢れていた。
下の写真は先の動画にも挙げたけど、サムソンのバックアップによる立体構造のインスタレーションの投影である。プロジェクター2台でなんでこんな動き作り出せるか全然わからなかったけどすごかった。
シテ島とサンルイ島というセーヌに浮かぶ二つの島を結ぶ橋で行われていたのだけど、下の人の多さがわかるだろうか?


とにもかくにもこんな感じでどこもごった返しながらイベントをやってるのである。




これは、パリ市庁舎にいろんな国の言葉でありがとうか愛してるかそんなのを飾ったライトアップ。正直普段のライトアップの方がカッコよかったけど…

後は、よくわからないけど謎の言葉をひたすら唱え続けるインスタレーションとか、小さな画像を壁に投影する奴とかetcetc

世界遺産の日でも感じたけれど、パリの人達はこういう文化イベントが本当に好きなんだなとものすごい感じた。

K内さんの奥さん、アーティストの方なのだが、彼らは自分の文化とかアイデンティティを良くわかってるのよねーというのが印象に残った。

無料であるから、気軽にいける。
街中の到る所でイベントをやるので、街中を良く歩く。結果としてさらに街の気付かなかったところに気付く。
アーティスト側も場所を提供してもらえるし、相当な大多数の人に見てもらえるから認知度は高まる。そのインスタレーションをみて、また芸術が好きになる人が増える。

素敵な作用が生まれている気がした。

パリ市の大胆さとパリ市民に憧れを抱いた、とても印象的な日。

1時になってそろそろ郊外線RERがなくなろうかという状態になっても人が減る気配はなかなかない。

K内さん達と別れて夜中の2時頃になって、ようやくすいてきたノートルダムに入ることができた。
これは、普段建物の中でしかみれないステンドグラスの輝きを、中からライトを放つことで外からステンドグラスの模様が見えるようにしようという企画。

中は下の様な感じである。これはまた、これでとても幻想的で印象的だった。





 日本にもこういうイベントがあれば、もっと美術とかの愛着が増すしいい機会だと思うんだけどな…。
アートイベントを細々とやるも、かなり小規模で良い相乗効果は生まれてない気がする日本の状況を振り返ってみると、 文化大国の維持を見せつけられたようで、感動半面、悔しさ半面。 文化資源やってる人にはぜひこの時期に訪れてもらいたい。
最後は肉体的にぼろぼろになりながら4時の深夜バスに乗って我が家にかえり、泥のように眠ったのでした。

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2 件のコメント:

  1. 立方体のインスタはラヴィレットの学生らしいです。
    これ見てないんだよねー。今さらながらyoutubeでみてるところ。

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  2. mio>そうなんだ。あれはすごかったなー。
    つーか、21~28時までいたのに、結局作品数的には殆ど見れてない気がする。
    ベルビルとかの方は大規模なのやってたらしいねー。

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